FX:非常識な戦略②:ロスカット(強制決済)を避ける
Q:長期間損切りせずにUSドルを保持した場合、強制ロスカット(FX会社による強制決済)はどういう状況で発動するでしょうか?
A:証拠金維持率が一定未満に達すると発動します。その数値は各FX会社により異なります。概ね100〜50%以下になると発動されます。
その前に為替について説明します。
説明のために簡単な数字を用います。
1ドル100円の時に1万通貨(1Lot)のドルを買います。
本来であれば1万ドルの購入には100万円が必要ですが、国内FXでは最高25倍のレバレッジを効かすことできるので4万円で購入可能です。
これが1ドル101円と円安に進めば1万の利益
99円と円高に進むと1万の損失となります。
損失が一定値以上に悪化するとFX会社により強制決済(ロスカット)されるため、
含み損を抱えても損きりせずに、円安になるのを何ヶ月でもじっくり待つという戦法が取れません。
では証拠金維持率とはどういうものでしょうか?
証拠金維持率=FX会社の口座に入れる資金÷必要証拠金×100%で計算されます。
証拠金維持率を高めるには、FX会社の口座に入れる資金を増やせば良いです。
口座に入れるだけなので実際には全額で取引する必要はありません。
・例えば10万円を口座に入れて1万通貨のドルを購入すると
証拠金維持率=FX会社の口座に存在する資金÷必要証拠金×100%
250%= 10万 4万
となります。
1ドル100円で購入した米ドルが96円にまで円高が進んだとします。
4万円の損失が発生するため
証拠金維持率=FX会社の口座に存在する資金÷必要証拠金×100%
150%= 6 (10-4) 万 4万
このように証拠金維持率が低下します。
・しかし100万円を口座に入れて1万通貨のドルを購入すると
証拠金維持率=FX会社の口座に存在する資金÷必要証拠金×100%
2500%= 100万 4万
となります。
このように証拠金維持率が文字通り桁違いに高くなり、
1ドル100円で購入した米ドルが1ドル50円にまで円高が進んだとしても
証拠金維持率=FX会社の口座に存在する資金÷必要証拠金×100%
2500%= 50(100-50)万 2(50÷25)万
と証拠金維持率が低下しません。
更に更に、1ドル100円で購入した米ドルが1ドル25円にまで円高が進んだとしても
証拠金維持率=FX会社の口座に存在する資金÷必要証拠金×100%
2500%= 25(100-75)万 1(25÷25)万
と全く証拠金維持率が低下しません。
このようにロスカット発動までに耐えられる円高の値が大きく違います。
では過去にどの程度、円高、円安になったのでしょうか?
為替の変動について調べてみた
米ドル日本円の過去20年分の為替を調べてみると、年間10-20円の変動があります。
ザイFXより図を引用
過去20年の円高、円安の最高値、最低値を調べると
プラザ合意直前(1995) 79円
東日本大震災の後(2011/10) 75円
リーマンショックの後(2008/12) 87円
長引く不況 (2002) 135円
上記の円高・円安に耐えられるくらい
FX口座に準備金を多めに投入する。
レバレッジを下げる。
であればロスカットを喰らわないと判断しました。
ただし損きりせずに塩漬け上等でスワップ金利狙いで長期保持の方針をとった場合、
為替の値動きの大きな流れを読み間違えると5〜10年は塩漬けになるとわかります。
なお下記のサイトでロスカットまでの目安がシミュレーションできます。
上記のサイトで計算してみました。
100万円入れて25000単位のUSドルの買いkeepなら
ロスカットラインは1ドル70円です。
史上到達した事のない円高に耐えられます。
※ただしFX会社によりロスカットラインは違います。
証拠金維持率が100%でロスカットであったり、50%だったりと。