高配当に魅せられてタバコ関連の株を買うのは時代遅れか? 医療者の見解
タバコ関連は日米英どれも高配当です。
わたしも長期保持により配当金を狙うことも考えました。
しかし高配当にならざる得ない、大きなリスクがある訳です。
結論から言うと今後産業そのものの衰退が確実だと思われるので「長期」の投資対象としては不適でしょう。
救急外来での経験上、
肺がん・心筋梗塞・脳梗塞・大動脈解離で運ばれてくる患者さんたちは
1日20本以上の喫煙を数十年継続しています。
いっそ即死であるのなら、本人の苦しみは一瞬かもしれません。
しかし大きな障害が残ったまま長く生き続けると本人だけでなく、介護に関わる家族の人生は一変します。
喫煙者の方は、意思が弱いのではなくニコチン依存症ですので、一度禁煙外来を受診してみてください。
果たしてタバコは産業としてはどうでしょうか?
株価は?:
JTの株価は右肩下がりを続けています。
喫煙率は?
厚労省による喫煙率のデーター:
昭和40年から平成30年にかけて
男性は80→30%
女性は15→10%
と喫煙率は低下しています。
タバコ代の推移:
物価上昇を鑑みても遥かに高いペースで上昇しています。
これでも先進国に比してタバコ代は安いので更なる上昇が予測されます
販売数量は?:
喫煙率ほどは下がっていないので、ニコチン依存のheavy smokerは
継続して喫煙をしているのでしょう
電子タバコは?
比較的新しいため現段階では健康への害がどれほどのものかははっきりとわかっていませんが、警笛は鳴らされています。
日本呼吸器学会:
アメリカでも危険性の指摘:
インドでは電子タバコ禁止
軍事に例えると:
真珠湾攻撃よりさかのぼる事、1年
1940年11月イギリス軍空母部隊は、わずか21機の攻撃隊をもってタラント港の空襲に成功。イタリアの戦艦3隻を撃沈破しました。
補助兵力に過ぎなかった航空機が、海の王者 戦艦を撃沈できることを証明した初めての戦いです。
この戦訓が真珠湾攻撃・マレー沖海戦への着想に繋がり、海戦の主役は戦艦から空母へと一大転機を迎えます。
タバコ株への投資は、タラント空襲後に戦艦を建造するような、時代の趨勢に逆行するような行為に思えます。
長期投資をするのなら右肩上がりの、未来ある産業を選ぶべきだとわたしは考えます。
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