ソーシャルレンディング:SBIソーシャルレンディングの元本毀損・遅延率と分配率から損益分岐点を探る 前編
私の利用しているソーシャルレンディング
「SBI SL」と「クラウドバンク」の過去の実績から
どれくらいの確率で元本毀損が発生してるのか?
今後もその確率で、同程度の元本毀損が発生した場合に、利回りがいくらであれば期待値がプラスになるかを考察してみようと思います。
クラウドバンク:
サービス開始:2013年12月
総数:2293件
元本毀損率:0%
実績平均利回り(税引き前):6.99%
こちらは未だに1件も元本毀損例がないため今回の検証対象外です。
元本毀損、遅延が発生しているSBISLを今回検証します。
SBISLは貸付先で更に4種類に分類します。
①オーダーメイド型ローンファンド 名目利回り3.8-8%
③個人向け無担保ローンファンド
④不動産担保事業者ローンファンド(常時募集) 名目利回り3-5%
このうち①〜③でデフォルトが発生しています。
そのため個々に分類して検証します。
①オーダーメイド型ローンファンド
更に細かい内訳としては
「サービサーズローンファンド、メガソーラーブリッジローンファンド、コーポラティブハウスローンファンド、不動産担保ローン事業者ファンドneo」
などに分けられます。
総数:167件中 以下の5件で発生 いずれも名目利回り6.5%の案件
(※ 計算しやすいように以下の金額は簡略化しました)
SBISL不動産バイヤーズローンファンド22号 3億2000万の貸付 6000万デフォルト 19%毀損
SBISL不動産バイヤーズローンファンド21号 6億7000万の貸付 2500万デフォルト 4%毀損
SBISL不動産バイヤーズローンファンド20号 1億9000万の貸付 3400万デフォルト 18%毀損
SBISL不動産バイヤーズローンファンド19号 3億1000万の貸付 4400万デフォルト 14%毀損
SBISL不動産バイヤーズローンファンド16号 9億5000万の貸付 2200万デフォルト 2%毀損
上記案件で分配金の一部支払いが行われたのか、全く支払われていないかは
サイトの下記の表記からは解読不能です。
そのため、デフォルトがあった案件では分配金の支払いがゼロであったと仮定します。
サイトに明示されている情報を電卓アプリを使って計算してみると
デフォルト発生率2.9%
発生した5案件における平均毀損率 7.6%(元本24億4000万のうち1億8500万未返却)
①オーダーメイド型ローンファンドの名目利回り3.8-8%であるので、
最も低い平均利回り3.8%で、100万円を1万ずつ100案件へ均等に分散投資したと仮定
(100×0.97×1.038) + (100×0.03×0.924)=100.686+2.772=103.458
単純計算で33件に分散投資しても1件のデフォルトに見舞われるものの、
きちんと均等に分散投資されていればトータルでプラスになりますね。
デフォルト発生率が2.9%とは言え、自分がその案件を引いてしまうかどうかですね。ちなみにデフォルトした4件はローンファンド19-22号と募集が連続する4案件でした。
仮定A:
平均利回り4%で、投資した案件数の10%に元本毀損(-7.5%)が発生した場合
(100×0.9×1.04) + (100×0.1×0.925)=93.6+ 9.25=102.85
仮定B:
平均名目利回り4%で、投資した案件数の20%に元本毀損(-7.5%)が発生した場合
(100×0.8×1.04) + (100×0.2×0.925)=83.2+18.5=101.7
どうやら名目利回り4%なら仮定Bあたりが損益分岐点になりそうです。
きちんと投資先の案件を分析できる能力がある方は良いのですが、門外漢だとそうは行かないものです。不動産に対する貸付価格が適切か?なかなか目端が利く方はいないのではないでしょうか。開示されている情報も不透明ですし。。。
その場合は、提示された募集案件に事実上 五月雨式に応募せざる得ない事となります。
つまりハズレが固まっている場合、引くとき時は塊を引いてしまいます。
4連続の元本毀損案件をセットで引いた場合でも20件に均等投資していれば回避できそうです。
オーダーメイド型ローンファンドなら1口5万円から投資可能なので、100万円で損益分岐点を超える分散投資が可能となります。
長くなったので
②、③、④は後日とします。
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