看護師 星華が投資で稼ぐ

はやりのブログは説明がとても長い。どうやって稼いだのか、不必要な情報は思い切ってカットして要点だけをお伝えします。

Johnson &Johnsonの訴訟にみるオピオイドの功罪について 医療者の見解

f:id:seiya1999:20190827110529p:plain

アメリカで8/26 J &Jのオピオイド過剰摂取による中毒の蔓延を

招いたとする裁判の判決が出されました。

市場が予想していた賠償金より圧倒的に低額だったため、JNJの株価は

上がったとのことです。

 

www.nikkei.com

 

 

そもそもオピオイドとのは何でしょうか?

簡単に言うと鎮痛薬(医療用麻薬)です。

 

一般的な解熱鎮痛薬として

ロキソニンロキソプロフェンナトリウム

カロナールアセトアミノフェン

などを内服された経験のある方も多いと思います。

 

WHOでは鎮痛薬の使用は下記の3段階をstepを踏むように提唱しています。

ラダー(階段)を上がるごとに鎮痛作用は強くなります。

ロキソニンは1段階目、トラマドールは2段階目、モルヒネは3段階目になります。

この2段階目、3段階目に相当する薬がオピオイドです。

 

f:id:seiya1999:20190827102628p:plain

 

一般的な鎮痛薬の効かない強い疼痛を抱える方(例えば手術直後の患者、癌患者)に対して処方されるのがオピオイド鎮痛薬です。

 

有名どころはトラマドール、フェンタニルモルヒネです。

モルヒネは戦争映画にもよく使われる即効性のある鎮痛薬ですね。

 

一般的な使用による副作用としては便秘、嘔気、眠気です。

過剰投与によっては呼吸抑制が起こることもあります。

効果不十分であったり、副作用が強い場合は、オピオイドローテイションといって

別のオピオイドに切り替えて対処します。

つまり過剰投与する事なく切り替えれば良いのです。

また適量使用であれば耐性は付きにくい、依存性は高くないと指摘されています。

日本国内では麻薬・依存性という言葉が一人歩きをして、過剰どころか必要十分量の使用されていません。

 

www.jspc.gr.jp

 

依存性もあり今回の訴訟では、

製薬会社が処方量を増やすために、依存性に対する医者への説明が不十分だった事が、過剰投与による、中毒の蔓延・死亡(1999〜2017年に40万人)を招いたとする訴訟でした。

JNJはパッケージにて危険性の説明はしているとし、控訴する方針です。

 

私の見解

米国でどの程度の量を処方していたのかが、インターネット検索では見つからないので、適量か過剰かはわかりません。

ただオピオイド系鎮痛薬が処方、投与された末期がん患者・手術直後の患者を目の当たりすると、その効果・即効性の強さは何物にも変え難いとすぐに実感できます。

お年を召された患者さんたちは「痛いだけなら死んだほうがマシだ」と口を揃えたようにおっしゃられます。そしてそれは、一時の気の迷いなどではなく本心なのでしょう。

 

一連の訴訟が、オピオイド使用の萎縮に繋がらないことを切に願います。

 

 

関連記事:

moneyget.hatenablog.com

moneyget.hatenablog.com