民間医療保険に入るべきかどうか?医療者の見解
結論から述べますと民間医療保険は不要です。
民間の医療保険は入院日数に応じて保険金が支払われます。
しかし国の高額療養費制度があり、患者さんの支払額は月額8万円ほどで上限となり、それ以上に支払った医療費は後に返還されます。(高収入だと自己負担10数万以上になる可能性もあります)
つまり退院時に一括で入院費(50万程度の貯金)をお支払いできれば無用だと考えます。
そもそも病院側も長期間の入院をさせずに退院させようとします。
これはDPCといって、病気ごとに国から病院へ支払われる医療費が決まっているからです。不必要な検査、治療、入院の延長を行なって病院を儲けさせないためです。
医療費抑制の国策の一種だと思ってください。
例えば有り得ないことですが盲腸(虫垂炎)で入院して、1週間毎日CTを撮っても、入院時に1度撮るだけでも患者さんの支払う医療費は同額になります。
差額は代わりに病院が自腹を切ります。
つまり1週間毎日CTを撮ろうとものなら病院側としては大赤字です。
また患者さん自身にとっても、長期の入院は(特に高齢者)認知症の進行や体力の衰えに繋がるためお勧めできません。
ではどういった方が医療保険を検討する必要があるのでしょうか?
それは民間医療保険で保険の効かない先進医療を求める方(例えば数百万円かかるダビンチによるロボット手術など)でしょう。
先進医療は今後は保険適用が検討されている治療法ですが、
現時点では全額自己負担となります。
ただ、そもそもご自身が先進医療が必要なごく一部の疾患に罹患するのでしょうか?
先進医療以外の代替治療方法がない確率はどれくらいでしょうか?
癌の種類やStageによっては治療法は異なります。
手術、放射線、化学療法など。誰もが先進医療の適応になりません。
肉親が癌家系であれば検討しても良いかとは思います。
(もしご友人にお医者さんがいれば相談してみるのが良いでしょう。)
しかし、それすら300万円ほどの貯金があれば不要と言えるでしょう。
また傷病手当で休職中の給料も賄えます。
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